CBDはニキビに効く!? ニキビへの改善効果を最新研究をもとに医師が解説

執筆者:桐田 泰江(麻酔科医・産業医
経歴:浜松医科大学医学部医学科卒業。オーストラリア シドニー大学医学部Pain management修士課程卒業後、神戸市内の医療機関にて麻酔科医として勤務。現在は産業医として勤務。日本医師会認定産業医や日本麻酔科学会認定医、アロマセラピー学会認定医の資格を有する。痛みの専門家として多くの「企業人」を診察した経験から生活者視点での執筆を得意とする。

目次

はじめに

「CBDがニキビに効く?」美容意識の高い方の中には最近、そんな話を聞いたことがある方は多いかもしれません。

ほとんどの人が一生に一度は経験するニキビ。
中でも特に顔のニキビは若い男女はもちろん、女性にとっては煩わしい悩みの種ではないでしょうか?

赤いブツブツが目立ったり、化粧ノリが悪くなり、そこでニキビを隠すために厚くファンデーションを使い、それが原因でさらにニキビが悪化するという悪循環に陥ることもあります。

今回は、CBDの「ニキビ」への症状改善や予防効果について最新の研究報告を交えて考察しているので、ニキビの症状でお悩みの方やCBD製品の利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

CBDとは?

CBDはCannabidiol(カンナビジオール)の略で、大麻草などに含まれるカンナビノイドという成分のひとつです。近年は鎮痛効果や抗炎症作用、リラックス効果などの人体への有効な影響があるという研究報告が出たことで注目を集めています。CBDに中毒性は無いとされ、いわゆる「ハイ」になる効果も報告されていません。CBDは安全性が高い成分であることが分かっており、WHO(世界保健機関)にも、その安全性が認められています。

WHO:https://www.who.int/docs/default-source/controlled-substances/whocbdreportmay2018-2.pdf?sfvrsn=f78db177_2

ニキビとは?

ニキビとは、顔、背中、胸元など皮脂の分泌がさかんな部位にできやすい、毛穴に一致した炎症や膿をともなう丘疹のことです。ニキビは一般に使用されている呼び名で、正式には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼びます。

ニキビは10~30歳代までの思春期から青年期の男女に多く見られます。

思春期のニキビは主に男性ホルモンが多くなり皮脂分泌が活発になることが原因で、男女問わず誰にでもできるものです。

一方、青年期のニキビができる理由は複雑です。また突然出現するものではなく、様々なプロセスを経て発生します。

ニキビができる原因は主に①皮脂分泌の増加②毛穴の詰まり③アクネ菌の増殖の3つが関係しています。ニキビは皮脂の分泌が過剰になることで起こり、毛穴にすむアクネ菌と呼ばれる細菌が、溜まった皮脂を分解する過程で皮脂が分厚くなって毛穴に詰まります。これをコメドと呼びます。これに炎症が起きると赤くなります。このように、ニキビとは進行性の皮膚炎症であり、ニキビにもさまざまな種類が存在します。図に示すように「白ニキビ」→「黒ニキビ」→「赤ニキビ」→「黄ニキビ」と進行していき、各段階に適した治療方法をとることが大切です。例えば全てのタイプのニキビで「毛穴の詰まりを改善する効果」があるコメド治療薬、赤ニキビや黄ニキビでは「抗菌薬」が用いられます。症状にもよりますが、治療期間は約3ヶ月程度です。副作用として乾燥や皮膚刺激を訴える方もいます。

画像出典元:https://www.nikibic.net/lab/know/color/

ニキビは通常20代の前半から半ばまでに自然に消えます。非炎症性と軽症の炎症性のニキビは、通常は瘢痕を残すことなく治癒しますが中等症から重症の炎症性のニキビはしばしば瘢痕を残すことがあります。ニキビ痕の影響は身体的なものだけではなく、精神的な苦痛にもなり得るため、重症例では患者および親に対する支持的なカウンセリングが適応となることもあります。

CBDのニキビへの効果とは?

実はCBDがニキビ治療や予防にも有望な成分として最近、注目が集まっています。

CBDは身体に自然に存在するエンドカンナビノイドシステムに作用し、痛みや炎症を緩和することが知られており、これらの特性を活かして痛みや不快感を感じている部位に直接塗布することで、炎症性皮膚疾患の治療や予防に効果があることが最近でも分かってきています。

また、CBD自体にも、保湿効果があることも2021年のIkarashiらの研究報告で分かっています。

この研究では1%CBD溶液をマウスの皮膚に14日間毎日塗布し経過を観察したところ、CBDを適用したマウスで、正常なバリア機能を維持しながら皮膚の水分量が約1.3倍に増加するという結果が示されました。

研究報告:Ikarashi N, Shiseki M, Yoshida R, Tabata K, Kimura R, Watanabe T, Kon R, Sakai H, Kamei J. Cannabidiol Application Increases Cutaneous Aquaporin-3 and Exerts a Skin Moisturizing Effect. Pharmaceuticals (Basel). 2021 Aug 30;14(9):879. 

ニキビの原因の1つに、乾燥により肌のターンオーバーが乱れることが挙げられます。ニキビを予防するためには肌をしっかりと保湿し、乾燥を防ぐことが重要です。CBDが肌の保湿を助けることからニキビを予防する効果が期待されています。

その他、睡眠不足やストレスもニキビや肌荒れの大きな原因となります。CBDには、睡眠の質を上げる効果や、ストレスを軽減する効果があるとされています

2019年のアメリカの研究では、不安や不眠の症状がある72人の被験者に対して、1ヶ月間CBDを処方する臨床実験が行われました。不安症状のある被験者の79.2%、不眠患者の67.7%が症状が改善したとの報告がされています。

このように、CBDはニキビの原因となる睡眠不足やストレスに対して効果が期待できるとも言えます。

研究報告:Shannon S, Lewis N, Lee H, Hughes S. Cannabidiol in Anxiety and Sleep: A Large Case Series. Perm J. 2019;23:18-041.

CBDのニキビへの効果に関する研究

ここでは、ニキビ治療や予防に有用性が期待されるCBDの効果を3つご紹介いたします。

CBDの抗炎症作用

ニキビは皮膚の毛穴が皮脂で詰まり、細菌の繁殖や炎症が起こることで発生するとされています。CBDには抗炎症作用があるとされており、ニキビ治療において期待されています。実際に2014年イタリアで行われた研究ではCBDが炎症性物質であるサイトカインを抑制する反応がみられ、抗炎症作用があるということが示唆されました。毛穴の炎症を抑える効果から炎症反応による赤ニキビを改善する効果が期待できます。

研究報告:Oláh A, Tóth BI, Borbíró I, Sugawara K, Szöllõsi AG, Czifra G, Pál B, Ambrus L, Kloepper J, Camera E, Ludovici M, Picardo M, Voets T, Zouboulis CC, Paus R, Bíró T. Cannabidiol exerts sebostatic and antiinflammatory effects on human sebocytes. J Clin Invest. 2014 Sep;124(9):3713-24. 

また2022年アメリカのPeyravianらの研究においても、CBDの使用により炎症性サイトカインであるTNF-αや IL-1β の発現量が減少し、ニキビの炎症が抑えられることが具体的に示唆されました。

研究報告:Peyravian N, Deo S, Daunert S, Jimenez JJ. The Anti-Inflammatory Effects of Cannabidiol (CBD) on Acne. J Inflamm Res. 2022 May 3;15:2795-2801.

CBDの皮脂分泌抑制作用

CBDは皮脂の過剰分泌を調整する作用があるとされており、ニキビ予防に効果的ではないかと考えられています。

2014年発表のOláhらの研究では、実験室で人間の皮膚サンプルと脂腺に対するCBDの効果を測定しました。CBDが脂腺での油の生産を抑制し、皮脂腺の活動を正常化し、皮脂分泌をコントロールする働きがあることが示唆されています。

皮脂の過剰分泌を防ぐことから、青春期の肌や脂性肌の方には効果が期待できます。

研究報告:Oláh A, Tóth BI, Borbíró I, Sugawara K, Szöllõsi AG, Czifra G, Pál B, Ambrus L, Kloepper J, Camera E, Ludovici M, Picardo M, Voets T, Zouboulis CC, Paus R, Bíró T. Cannabidiol exerts sebostatic and antiinflammatory effects on human sebocytes. J Clin Invest. 2014 Sep;124(9):3713-24.

CBDの免疫調節作用

CBDには免疫調節作用、すなわち抗菌作用がいくつかの研究にて示唆されています。CBDには皮膚のバリア機能を強化し、有害な細菌から肌を守る作用もあるとされています。CBDが細菌の繁殖を抑制することで、毛穴での炎症を予防または軽減する効果が期待できるでしょう。

研究報告:Appendino G, Gibbons S, Giana A, Pagani A, Grassi G, Stavri M, Smith E, Rahman MM. Antibacterial cannabinoids from Cannabis sativa: a structure-activity study. J Nat Prod. 2008 Aug;71(8):1427-30.
Blaskovich, M.A.T., Kavanagh, A.M., Elliott, A.G. et al. The antimicrobial potential of cannabidiol.Commun Biol4, 7 (2021).

CBDのニキビへの効果の具体的なメカニズム

ニキビ治療や予防に有用性が期待されるCBDの3つの作用を紹介しましたが、具体的なメカニズムを解説します。

CBDはニキビの原因のひとつである皮脂の過剰分泌を抑えることで、根本治療につながります。また、皮脂の分泌を正常にすることで、ニキビの予防作用も期待できるでしょう。

加えてCBDには抗炎症作用に加えてニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑制する効果があり、ニキビの進行、悪化にアプローチすることが可能です。

CBDの使用により肌の保湿効果を高め、肌の正常なターンオーバーを助けることでニキビの予防の効果が期待できます。

CBDのニキビへの効果に関する実証例

ニキビの治療、予防効果に関してCBDを試験管や動物ではなく直接ヒトの肌に使用して実証を得た論文は発表されていないのが現状です。CBDをヒトに使用した研究において皮膚疾患の治療効果を示した論文をご紹介します。こちらのイタリアのPalmieriらによる研究では、ニキビやアトピーなどの傷跡がある患者にCBD軟膏を投与し、皮膚の状態が評価されました。その結果、治療前に比べて、CBD軟膏投与群では「肌の傷跡」の改善・消失が見られたことが報告されました。さらに、CBD軟膏を投与した被験者は、肌の「保湿性」や「弾力性」が大幅に向上したことが明らかになりました。この研究は、CBDのニキビ跡に対する有用性を示しており、今後CBDを治療薬として利用することが期待されます。

研究報告:Palmieri B, Laurino C, Vadalà M. A therapeutic effect of cbd-enriched ointment in inflammatory skin diseases and cutaneous scars. Clin Ter. 2019 Mar-Apr;170(2):e93-e99. 

CBDのニキビへの効果の注意点

ニキビや肌荒れにお悩みの方は早速CBDを使ってみたいと思われたことと思います。
ここではCBDのニキビへの使用の注意点についてお話します。

CBDを効果的に使用するためにはいくつかの注意点があります。

まず、CBDコスメを使用する前に、使用する部位を洗浄し、きれいにしておくことが重要です。そして、適量を手に取り、薄く塗り広げるようにマッサージします。一般的には、1日に数回、必要に応じて使用しますが、製品によっては使用回数や使用量に制限がある場合がありますので、必ず使用方法・用量を確認してください。

また、CBDを外用する際に副作用が起こる可能性があります。一般的には、皮膚刺激やかぶれなどが起こる場合がありますが、重度の副作用が起こることはほとんどありません。しかし、敏感肌の方や、アレルギー体質の方は、事前にパッチテストを行うことをお勧めします。

最後に、外用のCBDは医療用途ではなく、あくまで化粧品やコスメとして販売されています。病気の治療には適していなとされ、医師との相談を行い、適切な治療法を選択するようにしてください。

CBDは服用しても副作用が比較的少ない物質とされていますが、大量摂取をすると下痢、口渇、食欲の変化、強い眠気、吐き気等の副作用が報告されています。

CBDローション、クリーム、オイルなどのCBDコスメがすべてのニキビに対して効果があるわけではありません。ニキビは様々な原因によって引き起こされるため、CBDがその人に効果があるかどうかは個人差があります。

CBDを含むスキンケア製品として多くの人に支持されていますが、使用方法を誤ると効果を発揮しないだけでなく、副作用が起こる可能性もあります。注意点を守り、正しく使用することで、効果的なスキンケアを行いましょう。

研究報告:Ferreira, B.P., Costa, G., Mascarenhas-Melo, F. et al. Skin applications of cannabidiol: sources, effects, delivery systems, marketed formulations and safety. Phytochem Rev 22, 781–828 (2023).

まとめ

この記事ではCBDのニキビの治療、予防効果をご紹介しました。CBDには保湿効果はもちろん、皮脂分泌調整や抗炎症作用、免疫調整作用によりニキビのへの効果が期待され、ニキビのさまざまな原因にアプローチができることが特徴です。CBDの摂取を習慣化することで、ニキビなどお肌のトラブルが改善するかもしれません。

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