HHCPとは?CBDとの違いや危険性、違法性について解説
この記事では、HHCPの効果やリスク、身体への影響、違法性について取り上げます。
また、大麻由来成分のCBD、合成のカンナビノイドのHHCP、どちらも大麻に関係することは分かるけれど、どうも違いが分からないという方へ向けて、その違いを効果や副作用、リスクといった観点から解説します。
執筆者:桐田 泰江(麻酔科医・産業医)
経歴:浜松医科大学医学部医学科卒業。オーストラリア シドニー大学医学部Pain management修士課程卒業後、神戸市内の医療機関にて麻酔科医として勤務。現在は産業医として勤務。日本医師会認定産業医や日本麻酔科学会認定医、アロマセラピー学会認定医の資格を有する。痛みの専門家として多くの「企業人」を診察した経験から生活者視点での執筆を得意とする。
医師やコンディショニングの専門家と開発したCBD製品なら「MUZE」
HHCPとは
HHCPとはヘキサヒドロカンナビホロール(英;Hexahydrocannabiphorol)の略です。カンビナビノイド成分の一種で、多幸感や鎮痛作用といった効果をもたらすとされ、HHCPリキッドやHHCPチョコといった様々な製品が販売されました。しかしながら、2024年1月6日指定薬物とされ、現在では医療用途を除く製造、販売、利用等が規制されています。
HHCPの化学式
以下より図を引用
https://en.wikipedia.org/wiki/Hexahydrocannabiphorol
合成カンナビノイドの一種であるHHCP
HHCPはHHC(ヘキサヒドロカンナビノール、英;hexahydrocannabinol、2022年3月に規制済み)のように植物内にも存在し、化学合成でも生成されるカンナビノイドです。このようなカンナビノイドを、「半合成カンナビノイド」といいます。
HHCPの効果と安全性
HHCPには
- 多幸感
- 鎮痛作用
- 不安、ストレスの緩和
- 抗炎症作用
- 食欲の増進
- 抗酸化作用
といった効果が見られると考えられています。ただし、HHCPは後に説明しますCBDと違い、効果に対する研究やエビデンスがほとんどないため、どんな効果があるか詳しくは分かっていません。
一方で安全性に関しては、HHCPの構造式は、昨今健康被害を起こした「HHCH」と類似しているため、「嘔吐」や「めまい」などの副作用が起こる可能性が考えられます。THCPO、HHCP、HHCHを含む合成カンナビノイドは、天然カンナビノイドと比較して中毒のリスクが高く、これらの化合物の合成の性質により、強力で濃縮された製品が得られることが多く、使用者が耐性や依存を発症する可能性が高く危険性を指摘されています。また、標準化された用量がなく、合成されたカンナビノイドの効力が様々であることが、中毒のリスクをさらに高めているともされています。
参考文献:
HHCPはハイになる?そのメカニズムとは
HHCPは大麻と同様に摂取するとハイになる効果があると言われています。
HHCPは、THCP(テトラヒドロカンナビホロール、英;tetrahydrocannabphorol)の水素化変異体であるため、本質的にTHCPと同等と考えられています。さらに、HHCPは化合物中の二重結合が水素化されることで酸化されにくい構造となり安定した状態になります。
水素化させたことにより、体に浸透しやすく効き目が強いのが特徴で、他のカンナビノイドよりも向精神性が高いとされ、実際に、HHCPは、THCを水素化して精製されたHHCよりも、1.5〜2倍ほど強力と言われています。従って、HHCと比べて、少量でも効果が出るのが特徴です。
ただし、他のカンナビノイドとは違い抽出できる量が少量なため、HHCPの研究はまだまだ発展途上と言えます。
参考文献:
参考文献:
https://paintedbrain.org/blog/lifestyle/hhcp-uncovered-potency-effects-and-safety
https://thehempdoctor.com/blog/what-is-hhcp/
https://www.acslab.com/cannabinoids/hhcp-chemistry-legality-uses
HHCPとCBDの違い
HHCPとCBDは麻由来の成分であるという共通点があります。
一方で、危険性が指摘され規制されるHHCPと安全なカンナビノイドであるCBDには以下の違いがあります。
- CBDは大麻由来の天然のカンナビノイドであり、HHCPは合成のカンナビノイドである。
- CBDは精神活性作用がなくハイにならない。それに対しHHCPは精神活性作用があり、ハイになるとされる。
- CBDは研究やエビデンスが有るのに対し、HHCPは研究・エビデンスがほとんどない。
CBDは効果として、「痛み」や「炎症の緩和」「ストレスや不安の軽減」「睡眠の改善」「リラックス効果」などがあります。副作用としては、過剰に摂取してしまうと「傾眠」や「食欲不振」、「胃腸症状」などが見られることがあります。
HHCPは前述の通り「多幸感」や「鎮痛作用」といった効果があるとされており、副作用として「嘔吐」や「めまい」が起こる可能性が指摘されています。
HHCPとHHCHの違い
近年、合成カンナビノイドの世界は急速に拡大し、常に新しい化合物が出現している状況となっています。本邦では2023年11月4日、合成のカンナビノイドである「HHCH」(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)を含んだ「大麻グミ」を摂取した男女が体調不良を訴え、救急搬送される事件が起こりました。同年12月2日からはHHCHが指定薬物として規制されました。
そんな中、HHCHに次ぐ合成カンナビノイドとして「HHCP」と呼ばれる成分が注目を集めていましたが、HHCPを含む製品の規制も2024年1月6日に始まりました。
HHCPは現在規制されている
2024年の1月から「HHCP」は指定薬物に追加されており、現在は利用することができません。
HHCPを含んだ製品を所持/使用してもいいの?
HHCPやその他の規制対象のカンナビノイドの成分を含む製品(電子タバコ、グミやクッキーなども含む)について、「製造」や「輸入」・「販売」・「所持」「使用」等が禁止されており、指定薬物を所持や使用した場合、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」される可能性があるため、もしまだ所持している場合はすぐに処分しましょう。
参考文献
https://www.pref.tochigi.lg.jp/e08/welfare/iryou/yakuji/20231227siteiyakubutu1.html
指定薬物に追加された理由
HHCPが規制された理由としては、2023年に規制された「HHCH」の類似物質であることが関係していると考えられています。
2024年2月の時点で所持や使用等が規制対象になっているその他の合成カンナビノイド成分には、THCH・HHC・THCP・THCO・HHCO・THCBなどがあります。今後、ますます増えていくことが予想されます。
参考文献
国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230906_2.pdf
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11126000/001185382.pdf
安全性の高いカンナビノイド
これまで規制対象となっているカンナビノイドについて解説しました。次に安全性が高く、規制対象になっていないカンナビノイド、CBDについて説明いたします。
CBD
CBDはCannabidiol(カンナビジオール)の略称で、大麻草から採れる100種類以上あるカンナビノイド成分の1つです。
私たちの身体には身体機能を一定に保つためのエンドカンナビノイドシステム(ECS)が備わっており、ECSの作用により疼痛、炎症、不安、ストレス、睡眠、食欲、吐き気などの調節が行われます。ECSの機能に関わるアナンダミド(AEA)や2-AGなどの内因性カンナビノイドの分泌量をCBDが調整することが知られています。この「カンナビノイド受容体」への間接的な作用が、人体に対して様々なメリットをもたらすと考えられています。鎮痛効果や抗炎症作用、リラックス効果などの人体への有効な影響があるという研究報告が出たことで注目を集めています。
CBDも過剰に摂取した場合に軽度ではありますが、傾眠や食欲不振・胃腸症状など副作用が起こる可能性があるため注意が必要です。
CBDは大麻から取れる成分ですが中毒性は無いとされ、いわゆる「ハイ」になる精神活性作用が無いことが分かっています。これに対し、既述の通りTHCは脳内に存在するカンナビノイド受容体の1つである「CB1」に結合することで、精神活性作用を示すとされています。CBDはこのCB1受容体にほとんど結合しないことが分かっており、THCの作用を弱めるように働くとされています。
医学的にも次のような効果を発揮する可能性について様々な研究で既に示唆されています。
- 痙攣を抑え、てんかん等の発作に効果がある
- 不眠症の症状を改善する
- 痛みや炎症を緩和する
- 化学療法による副作用(嘔気や嘔吐)の症状を緩和する
- 薬物依存症の症状を緩和する
- パーキンソン病や、アルツハイマー、多発性硬化症にも効果がある
- ニキビの症状を緩和する
参考文献
https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/cannabidiol-(compound-of-cannabis)CBD oil: Effects and side effects (medicalnewstoday.com)
Britch SC, Babalonis S, Walsh SL. Cannabidiol: pharmacology and therapeutic targets. Psychopharmacology (Berl). 2021 Jan;238(1):9-28. doi: 10.1007/s00213-020-05712-8. Epub 2020 Nov 21. PMID: 33221931; PMCID: PMC7796924.
三島 健一, 入江 圭一, 大麻成分の中枢効果:有用性と危険性, YAKUGAKU ZASSHI, 2020, 140 巻, 2 号, p. 193-204,
Rudisill TM, Innes KK, Wen S, Haggerty T, Smith GS. The Effects of Cannabidiol on the Driving Performance of Healthy Adults: A Pilot RCT. AJPM Focus. 2023 Mar;2(1):100053. doi: 10.1016/j.focus.2022.100053. Epub 2022 Nov 24.
CBG
CBG(カンナビゲロール, 英;cannabigerol)は大麻から抽出されるカンナビノイドの一種で、成熟した大麻草からも1%前後しか抽出されないレアカンナビノイドと呼ばれている成分です。CBDはCB1受容体及びCB2受容体については、直接結合はせず、働きかけをするだけです。CBGが最も注目されるひとつが、CB1受容体とCB2受容体に直接部分結合(パーシャルアゴニスト)するとされている点です。これはTHCの働きに似ているものの、精神作用は生みません。
また、CBGが抗うつ薬と同じ働きかけがされている研究結果も出ています。結論、CBGはGABA(※1)の再取り込みを阻害することで抗不安作用とリラックス作用が示唆されています。詳しい話は省きますが、GABAは神経のシナプス前終末へ再取り込みされると、作用は減弱してしまいます。CBGはこのGABAの再取り込みを阻害する働きがあり、結果的にGABAの効果が高まると考えられています。
※1 GABA
アミノ酸の一種。Gamma-Amino Butyric Acid(γ-アミノ酪酸)の略でギャバと読みます。GABAやセロトニン等神経伝達物質は神経のシナプス前終末から遊離(放出)され、シナプス後神経の受容体へ作用(結合)することで情報が伝達され、緊張やストレスを緩和し、脳の興奮をおさめ、睡眠の質を向上すると言われています。また、「CBGを摂ることで集中力があがる」といった噂を聞くことがありますが、「CBGの摂取だけで集中力が向上した」といったエビデンスは存在せず、ストレスを緩和することで集中力の保持を助けるという考え方が良いようです。
参考文献
https://www.sciencedirect.com/topics/biochemistry-genetics-and-molecular-biology/cannabigerol
https://neurogan.com/blogs/news/cbg-benefitsNavarro G, Varani K, Reyes-Resina I, Sánchez de Medina V, Rivas-Santisteban R, Sánchez-Carnerero Callado C, Vincenzi F, Casano S, Ferreiro-Vera C, Canela EI, Borea PA, Nadal X, Franco R. Cannabigerol Action at Cannabinoid CB1 and CB2 Receptors and at CB1-CB2 Heteroreceptor Complexes. Front Pharmacol. 2018 Jun 21;9:632.
Banerjee SP, Snyder SH, Mechoulam R. Cannabinoids: influence on neurotransmitter uptake in rat brain synaptosomes. J Pharmacol Exp Ther. 1975 Jul;194(1):74-81.
安全なCBDを使用し医師と共に開発したカンナビノイド製品「MUZE」
CBDをはじめとするカンナビノイドを含有した製品は、安全性が定かでない劣悪なものから安心できる高品質なものまで品質は様々です。
そこで、安全性はもちろん、品質面でおすすめなのが「MUZE」です。
おすすめの理由①スイス産の高品質なCBDのみ使用
実はCBDの品質は産地や栽培方法によって様々です。劣悪なものは多量の農薬や重金属等の危険物が混入しているものもあります。CBDの主要な原産国は中国やアメリカとなりますが、MUZEでは厳しい環境基準と有機農法が進むスイス産のオーガニックCBD原料を使用しています。
スイスはアルプスの山々に囲まれた国であり、年間を通して日照時間が長く、澄んだ空気がCBD原料の健全な成長に最適な条件となるためです。
おすすめの理由②医師や各分野の専門家と共同開発
MUZEでは、多数のプロアスリートをサポートするセルフリカバリーブランドとして、製品の安全性と満足感のある体感を提供するため「最高品質のモノづくり」を追求しております。
そのため、自社研究で得たデータに加え、欧米の最新のエビデンスをベースにスポーツドクターや麻酔科医などの各専門医やコンディショニングの専門家と共同で、日々のQOLを高める高品質なセルフリカバリー製品の開発を推進しています。
おすすめの理由③プロアスリートも愛用するブランド
ランナーや格闘家など多くのアスリートが日々のセルフケアで愛用するブランドとして、スポーツ界でその信頼と実績を積み上げつつあるMUZEですが、最近ではプロサッカーチームのガンバ大阪に所属する石川選手がアンバサダーになるなど、トップアスリートも愛用するブランドとして注目が高まっています。
MUZEのCBD製品の種類
実際にCBD製品を試したい方におすすめの製品をご紹介します。
CBDオイル
CBDオイルは、大麻草に含まれるカンナビノイドからCBDを抽出したオイルです。
摂取方法はスポイトで直接舌の下に垂らしたり、飲み物などに入れたりすることが主流です。
睡眠改善には一番のおすすめです。
【製品名】
Recovery Oil | Night
CBDバーム
CBDバームは、経皮摂取タイプで肌に塗って使うタイプの製品です。
経皮摂取のため、初めてCBD製品を使う人にも取り入れやすくおすすめです。
【製品名】
CBDベイプ
CBDベイプはCBDリキッドを気化させて吸い込むための電子タバコのようなデバイスです。
吸収率が高く効果の発現が早いことが特徴で、わずかな休憩時間での気分の切り替えにおすすめです。
【製品名】
本記事のまとめ
最後までお読み頂きありがとうございした。CBDをはじめカンナビノイドには多くの種類やそれぞれ異なる特性がある事に驚かれたのではないでしょうか。
今回はカンナビノイドの種類について、その特徴や効果、日本における使用の合法/違法について解説しました。中でも初心者におすすめなカンナビノイドはCBD、CBN、CBGです。
また、CBD製品の選択で迷ったら、高品質で信頼性の高い「MUZE」がおすすめです。
コメント