HHCPとは?危険性や規制されていないカンナビノイドとの違いを医師が解説

hhcp アイキャッチ

近年、合成カンナビノイドの世界は急速に拡大し、常に新しい化合物が出現している状況となっています。本邦では2023年11月4日、合成のカンナビノイドである「HHCH」(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)を含んだ「大麻グミ」を摂取した男女が体調不良を訴え、救急搬送される事件が起こりました。同年12月2日からはHHCHが指定薬物として規制されました。

そんな中、HHCHに次ぐ合成カンナビノイドとして「HHCP」と呼ばれる成分が注目を集めていましたが、HHCPを含む製品の規制も2024年1月6日に始まりました。

大麻由来成分のCBD、合成のカンナビノイドのHHCP、どちらも大麻に関係することは分かるけれど、どうも違いが分からないという方へ向けて、その違いを効果やリスク、違法性の観点から解説いたします。

執筆者:桐田 泰江(麻酔科医・産業医
経歴:浜松医科大学医学部医学科卒業。オーストラリア シドニー大学医学部Pain management修士課程卒業後、神戸市内の医療機関にて麻酔科医として勤務。現在は産業医として勤務。日本医師会認定産業医や日本麻酔科学会認定医、アロマセラピー学会認定医の資格を有する。痛みの専門家として多くの「企業人」を診察した経験から生活者視点での執筆を得意とする。

MUZE バナー

医師やコンディショニングの専門家と開発したCBD製品なら「MUZE

目次

HHCPとは

HHCPとはヘキサヒドロカンナビホロール(英;Hexahydrocannabiphorol)の略です。HHCPはHHC(ヘキサヒドロカンナビノール、英;hexahydrocannabinol、2022年3月に規制済み)のように植物内にも存在し、化学合成でも生成されるカンナビノイドです。このようなカンナビノイドを、「半合成カンナビノイド」といいます。

参考文献:https://en.wikipedia.org/wiki/Hexahydrocannabiphorol

HHCPの効果

ここでは気になる HHCPの効果について解説します。以下にHHCPによる効果として考えられているものを挙げます。

  • 多幸感
  • 鎮痛作用
  • 不安、ストレスの緩和
  • 抗炎症作用
  • 食欲の増進
  • 抗酸化作用

HHCPは後に説明しますCBDと違い、効果に対する研究やエビデンスがほとんどないため、どんな効果があるか詳しくは分かっていません。HHCPは、THCP(テトラヒドロカンナビホロール、英;tetrahydrocannabphorol)の水素化変異体であるため、本質的にTHCPと同等と考えられています。さらに、HHCPは化合物中の二重結合が水素化されることで酸化されにくい構造となり安定した状態になります。水素化させたことにより、体に浸透しやすく効き目が強いのが特徴で、大麻と同様に摂取するとハイになる効果があると言われています。他のカンナビノイドよりも向精神性が高いとされ、実際に、HHCPは、THCを水素化して精製されたHHCよりも、1.5〜2倍ほど強力と言われています。従って、HHCと比べて、少量でも効果が出るのが特徴です。他のカンナビノイドとは違い、抽出できる量が少量なため、HHCPの研究はまだまだ発展途上と言えます。

参考文献:
https://paintedbrain.org/blog/lifestyle/hhcp-uncovered-potency-effects-and-safety
https://thehempdoctor.com/blog/what-is-hhcp/
https://www.acslab.com/cannabinoids/hhcp-chemistry-legality-uses

THCとの違い

ここではHHCPとTHCとの違いについて説明します。

THCはテトラヒドロカンナビノール(英: tetrahydrocannabinol)の略で、いわゆる「ハイ」になることに関係する大麻の精神活性成分です。常習的な使用によって脳の萎縮が起こり認知症リスクが高まると示唆されました。HHCPは、THCPを水素化させたカンナビノイドです。このTHCPは、THCと構造はほぼ同じですが、大きく異なる点はアルキル側鎖の炭素数です。THCが5つなのに対しTHCP、HHCPは7つの炭素を持っており、この数字はレクリエーション要素の高さに直結すると考えられています。具体的には、脳内に多く分布するCB1受容体への結合のしやすさに関係すると考えられており、THCPはTHCの33倍と言われています。CB1受容体への結合のしやすさと実際の効力が必ずしも比例するわけではありませんが、THCPは非常に高いレクリエーション要素を持つカンナビノイドだと考えられています。そのTHCPを水素化して作られたHHCPは、水素が添加されることで化学的に安定して、熱や紫外線に強くなり、保存性も高くなっています。また、体内での代謝に時間を要するため、持続時間が長いことも特徴の一つです。

HHCP化学式

THCP化学式

THC化学式

以下より図を引用
https://en.wikipedia.org/wiki/Hexahydrocannabiphorol
https://ja.wikipedia.org/wiki/テトラヒドロカンナビノール
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Tetrahydrocannabiphorol

参考文献

Battistella G, Fornari E, Annoni JM, Chtioui H, Dao K, Fabritius M, Favrat B, Mall JF, Maeder P, Giroud C. Long-term effects of cannabis on brain structure. Neuropsychopharmacology. 2014 Aug;39(9):2041-8. doi: 10.1038/npp.2014.67. Epub 2014 Mar 17. PMID: 24633558; PMCID: PMC4104335.

HHCPの安全性

ここでは、HHCPの安全性について説明します。HHCPの構造式は、昨今健康被害を起こした「HHCH」と類似しているため、「嘔吐」や「めまい」などの副作用が起こる可能性が考えられます。THCPO、HHCP、HHCHを含む合成カンナビノイドは、天然カンナビノイドと比較して中毒のリスクが高く、これらの化合物の合成の性質により、強力で濃縮された製品が得られることが多く、使用者が耐性や依存を発症する可能性が高く危険性を指摘されています。また、標準化された用量がなく、合成されたカンナビノイドの効力が様々であることが、中毒のリスクをさらに高めているともされています。

参考文献:
https://www.acslab.com/cannabinoids/hhcp-chemistry-legality-uses

HHCPの違法性

結論から言いますと、2024年の1月から「HHCP」は指定薬物に追加されており、現在は利用することができません。HHCPが規制された理由としては、2023年に規制された「HHCH」の類似物質であることが関係していると考えられています。2024年2月の時点で所持や使用等が規制対象になっているその他の合成カンナビノイド成分には、THCHHHCTHCPTHCOHHCOTHCBなどがあります。今後、ますます増えていくことが予想されます。

参考文献
国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20230906_2.pdf
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11126000/001185382.pdf

HHCPを含んだ製品の所持/使用してもいいの?

HHCPやその他の規制対象のカンナビノイドの成分を含む製品(電子タバコ、グミやクッキーなども含む)について、「製造」や「輸入」・「販売」・「所持」「使用」等が禁止されており、指定薬物を所持や使用した場合、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」される可能性があるため、もしまだ所持している場合はすぐに処分しましょう。

参考文献
https://www.pref.tochigi.lg.jp/e08/welfare/iryou/yakuji/20231227siteiyakubutu1.html

安全性の高いカンナビノイド

これまで規制対象となっているカンナビノイドについて解説しました。次に安全性が高く、規制対象になっていないカンナビノイド、CBDについて説明いたします。

CBD

CBDはCannabidiol(カンナビジオール)の略称で、大麻草から採れる100種類以上あるカンナビノイド成分の1つです。

私たちの身体には身体機能を一定に保つためのエンドカンナビノイドシステム(ECS)が備わっており、ECSの作用により疼痛、炎症、不安、ストレス、睡眠、食欲、吐き気などの調節が行われます。ECSの機能に関わるアナンダミド(AEA)や2-AGなどの内因性カンナビノイドの分泌量をCBDが調整することが知られています。この「カンナビノイド受容体」への間接的な作用が、人体に対して様々なメリットをもたらすと考えられています。鎮痛効果や抗炎症作用、リラックス効果などの人体への有効な影響があるという研究報告が出たことで注目を集めています。

CBDも過剰に摂取した場合に軽度ではありますが、傾眠や食欲不振・胃腸症状など副作用が起こる可能性があるため注意が必要です。

CBDは大麻から取れる成分ですが中毒性は無いとされ、いわゆる「ハイ」になる精神活性作用が無いことが分かっています。これに対し、既述の通りTHCは脳内に存在するカンナビノイド受容体の1つである「CB1」に結合することで、精神活性作用を示すとされています。CBDはこのCB1受容体にほとんど結合しないことが分かっており、THCの作用を弱めるように働くとされています。

医学的にも次のような効果を発揮する可能性について様々な研究で既に示唆されています。

  • 痙攣を抑え、てんかん等の発作に効果がある
  • 不眠症の症状を改善する
  • 痛みや炎症を緩和する
  • 化学療法による副作用(嘔気や嘔吐)の症状を緩和する
  • 薬物依存症の症状を緩和する
  • パーキンソン病や、アルツハイマー、多発性硬化症にも効果がある
  • ニキビの症状を緩和する

参考文献
https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/cannabidiol-(compound-of-cannabis)

CBD oil: Effects and side effects (medicalnewstoday.com)
Britch SC, Babalonis S, Walsh SL. Cannabidiol: pharmacology and therapeutic targets. Psychopharmacology (Berl). 2021 Jan;238(1):9-28. doi: 10.1007/s00213-020-05712-8. Epub 2020 Nov 21. PMID: 33221931; PMCID: PMC7796924.
三島 健一, 入江 圭一, 大麻成分の中枢効果:有用性と危険性, YAKUGAKU ZASSHI, 2020, 140 巻, 2 号, p. 193-204,
Rudisill TM, Innes KK, Wen S, Haggerty T, Smith GS. The Effects of Cannabidiol on the Driving Performance of Healthy Adults: A Pilot RCT. AJPM Focus. 2023 Mar;2(1):100053. doi: 10.1016/j.focus.2022.100053. Epub 2022 Nov 24.

CBG

CBG(カンナビゲロール, 英;cannabigerol)は大麻から抽出されるカンナビノイドの一種で、成熟した大麻草からも1%前後しか抽出されないレアカンナビノイドと呼ばれている成分です。CBDはCB1受容体及びCB2受容体については、直接結合はせず、働きかけをするだけです。CBGが最も注目されるひとつが、CB1受容体とCB2受容体に直接部分結合(パーシャルアゴニスト)するとされている点です。これはTHCの働きに似ているものの、精神作用は生みません。

また、CBGが抗うつ薬と同じ働きかけがされている研究結果も出ています。結論、CBGはGABA(※1)の再取り込みを阻害することで抗不安作用とリラックス作用が示唆されています。詳しい話は省きますが、GABAは神経のシナプス前終末へ再取り込みされると、作用は減弱してしまいます。CBGはこのGABAの再取り込みを阻害する働きがあり、結果的にGABAの効果が高まると考えられています。

※1 GABA
アミノ酸の一種。Gamma-Amino Butyric Acid(γ-アミノ酪酸)の略でギャバと読みます。GABAやセロトニン等神経伝達物質は神経のシナプス前終末から遊離(放出)され、シナプス後神経の受容体へ作用(結合)することで情報が伝達され、緊張やストレスを緩和し、脳の興奮をおさめ、睡眠の質を向上すると言われています。また、「CBGを摂ることで集中力があがる」といった噂を聞くことがありますが、「CBGの摂取だけで集中力が向上した」といったエビデンスは存在せず、ストレスを緩和することで集中力の保持を助けるという考え方が良いようです。

参考文献
https://www.sciencedirect.com/topics/biochemistry-genetics-and-molecular-biology/cannabigerol
https://neurogan.com/blogs/news/cbg-benefits

Navarro G, Varani K, Reyes-Resina I, Sánchez de Medina V, Rivas-Santisteban R, Sánchez-Carnerero Callado C, Vincenzi F, Casano S, Ferreiro-Vera C, Canela EI, Borea PA, Nadal X, Franco R. Cannabigerol Action at Cannabinoid CB1 and CB2 Receptors and at CB1-CB2 Heteroreceptor Complexes. Front Pharmacol. 2018 Jun 21;9:632. 

Banerjee SP, Snyder SH, Mechoulam R. Cannabinoids: influence on neurotransmitter uptake in rat brain synaptosomes. J Pharmacol Exp Ther. 1975 Jul;194(1):74-81.

医師やコンディショニングの専門家と開発したCBDなら「MUZE」

ストレス緩和目的でのCBD製品の導入で迷ったら、品質や機能面でおすすめなのが「MUZE」です。

おすすめの理由

①高品質なCBDのみ使用
近年、医療やスポーツをはじめ、ヒトの身体への高い有用性から、様々な分野での活用が進むCBD。
私たちはCBDの持つ高いポテンシャルに注目し、その有用性を最大限に活かすべく、厳格な基準をクリアした高品質なCBDのみ使用しています。また、CBDとの高い相乗効果を発揮するCBNやCBGなどのレアカンナビノイドも豊富に配合し圧倒的な体感や満足感を提供するプロフェッショナル品質のプロダクトを提供する事に拘っています。

②医師や各分野の専門家と共同開発
私たちは安全で安心な製品づくりのため、製品毎に専門医の医師や該当領域の専門家と共に共同で製品開発を進めています。
私たちの身体にとって高い有用性を秘めた成分のCBDではありますが、その取り扱いには十分に注意をしなければいけないと考えています。
国内よりも先行して研究が進む海外の研究事例や最新の論文といった十分に信頼できるエビデンスをもとにした製品開発をしています。

③データ根拠に基づいた製品開発
CBDには二相性と言われる摂取量に応じて異なる作用を発揮する特徴があります。そして、そのCBDの属するカンナビノイドには100種を超える有用成分が存在し、特徴も様々です。

各成分の配合比率や組み合わせ方で変わる作用。その組み合わせパターンは無数にあり、まさに「秘伝のレシピ」の発見は高い可能性を持つテーマと考えています。私たちもそんなテーマに対し、データとAIを活用して配合成分の可能性を検証したり、各成分の最適な配合比率をシミュレーションするなど、データドリブンにアプローチしています。

CBD製品の種類

CBD製品を試したい方におすすめの製品をご紹介します。

CBDオイル

CBDオイルは、大麻草に含まれるカンナビノイドからCBDを抽出したオイルです。摂取方法はスポイトで直接舌の下に垂らしたり、飲み物などに入れたりすることが主流です。

【製品名】
Recovery Oil | Night

【特徴】
●最高ランクのCBD原料を使用
ブロードスペクトラムCBDとCBNを合計40%配合。

●オーガニックのヘンプ本来の自然な味
CBD以外にも希少なテルペンなど天然成分を豊富に含むブロードスペクトラム独特のナチュラルな風味

CBDバーム

CBDバームは、CBDオイル同様大麻草に含まれるカンナビノイドからCBDを抽出したバームタイプの製品です。経皮吸収のため、初めてCBD製品を使う人にも取り入れやすくおすすめです。

【製品名】

Recovery Balm

【特徴】

●プロ仕様のセルフケア
スポーツドクターと共同開発したアスリートも愛用するプロ仕様のセルフケア。
マッサージや、保湿ケアにも◎

●シアバターやアーモンドオイル等、保湿力の高い植物由来成分を贅沢に配合。

●心地よい冷感とベタつかない塗り心地
メントールの心地良い爽快さと冷感が疲れた体や筋肉を心地良くクールダウンさせる。

CBDベイプ

CBDベイプはCBDリキッドを気化させて吸い込むための電子タバコのようなデバイスです。吸収率が高く効果の発現が早いことが特徴なので、わずかな休憩時間での気分の切り替えにおすすめです。

【製品名】

Recovery Vape

【特徴】

●エレガントで洗練されたデザイン
高度な金属加工技術で開発した、MUZEだけのオールメタリックなデバイス

●キック感のある心地良い刺激
喉への適度な刺激や心地良さを向上させる最新のPODシステムを採用

●上品で濃厚なフレーバー
高品質なオレンジや巨峰の香り等を贅沢に配合した大人向けの上品な味わい

まとめ

本記事では2024年1月より規制対象となった合成カンナビノイドの一つ、HHCPについて解説しました。HHCPは使用者が耐性や依存を発症する可能性が高く危険性を指摘され、2024年1月に指定対象となり、規制対象となっています。ストレスの緩和に、安全性の高いCBDの導入をお勧めします。中でもMUZEの商品は医師やコンディショニングの専門家と開発しているため、品質、安全性の面から優れているのでおすすめです。

CBDとメディカルを融合させたセルフリカバリーアイテム 「MUZE」

hhcp アイキャッチ

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次